ボトックス(ボツリヌストキシン)注射は、表情ジワの緩和などを目的に世界中で広く行われている治療です。それにもかかわらず、「顔が固まる」「一度始めるとやめられない」といった誤解が今も根強く残っています。この記事では、診察でよくいただく質問をQ&A形式で取り上げ、私・院長の今井が一つずつお答えします。

「表情がなくなる」は本当?

結論から言うと、量と部位が適切であれば、表情は保たれます。「能面のよう」と言われる状態は、多くの場合、注入量が多すぎたケースです。

表情の動きは活かしたまま、シワの寄り方だけをやわらげる——そのためには、どこに・どれだけ注入するかという設計が重要です。目指すのは「固めること」ではなく、「なんとなく若々しく見えること」だと私は考えています。

「一度やるとやめられない」は誤解です

ボトックスの効果は3〜6ヶ月程度で薄れ、筋肉の動きは元に戻るとされています。やめること自体に医学的な問題はありません。

継続される方が多いのは事実ですが、それは「シワが深く刻まれにくい状態を保ちたい」というご本人の選択です。依存性があるわけではありません。

「毒を入れるなんて怖い」——歴史のある治療薬です

「毒素」という言葉に驚かれる方は多いのですが、使用するのはごく微量です。もともとは、まぶたのけいれんや斜視の治療薬として長年医療現場で使われてきた歴史があります。大切なのは、品質の確かな製剤を適切な量で使うことです。

なお当院では、国内承認製剤(ボトックスビスタ®)と、韓国製剤(ボツラックス・国内未承認)の両方を取り扱っています。それぞれの違いは診察時にご説明します。

効果はいつから? いつまで続く?

代謝の早い方や運動習慣のある方、初回の方は短めに感じることがあります。「打ったのに効かない」と数日で判断せず、少し待ってみてください。

「どこに打っても同じ」ではありません

眉間・額・目尻は筋肉が複雑に入り組んでいる部位です。注入する点・深さ・量がわずかにずれるだけで、仕上がりの自然さが変わります。価格だけで選ぶことがリスクになりやすいのは、まさにこの部分です。

エラ・汗にも使えますか?

エラの張りが筋肉(咬筋)の発達によるものであれば、小顔効果が期待できます。一方、骨格による張りにはボトックスは作用しません。どちらのタイプかは診察での見極めが必要です。

汗に対しては、脇のほか手のひらや頭部などにも用いられます。部位によっては注射時の痛みを伴いやすいため、事前の説明をよくお聞きください。

「失敗したら戻せない」? 時間とともに代謝されます

ボトックスにはヒアルロン酸のような溶解剤はありませんが、時間の経過とともに代謝され、効果は薄れていきます。仮に仕上がりが好みと違っても数ヶ月で元に戻るという点は、むしろ安心材料と言えるかもしれません。

まとめ:鍵は「どこで、誰に打ってもらうか」

ボトックスは、適切に行えば選択肢として十分に検討に値する治療だと私は考えています。気になる方は、今の状態と「こうなりたい」という希望を、カウンセリングで率直にお聞かせください。

※自由診療(保険適用外)です。効果・ダウンタイムには個人差があります。施術のリスク・副作用については診察時にご説明します。